マッカラムの「五つの誤解」論文を読む [ 全レストップページ ]

14 名前: ドラエモン [2007/05/17(木) 22:27:04] ID:O [TB]

で、「背理法」を言い募る人には(含む儂w)には、少々耳の痛い主張が次に出てくる。

>このような政策手段を継続的に用いることに関してである。この実
>験的政策のもとでは、もしインフレを生じさせる効果がなければ、
>名目貨幣残高が無限に増加していくので、ヘリコプター・ドロップ
>が継続的に行われていれば、横断性条件に反することにならないか。

要するに「背理法」は、横断条件に他ならないということを明らかにしているわけね。まあ、これは背理法の数学的表現を明らかに下に過ぎない。問題は、

>ゼロ金利制約に関する分析は、概して、経済は定常状態で正の名目
>利子率をとると仮定しており、何らかの負のショックを受けた結
>果、一時的に経済がゼロ金利制約に陥ると仮定されている。
>このような場合、この経済は有限の将来のいずれかの時点で、ゼロ
>金利制約から自力で脱出し、その後pt はmtと歩調を合わせて上昇
>傾向をたどるだろう。横断性条件は、無限の将来にだけ関連するも
>のであるので、ここで検討しているような問題に関しては当てはま
>らない。

ここです。実は、小野モデルは定常状態で無限の貨幣需要を効用関数に関する特殊な(小野先生、スイマセン)から導いている。つまり、マッカラムの言う「ゼロ金利モデルの通常の仮定」を満たしていないのである。だが、普通のモデルでは、背理法は無限の彼方での問題であり、ゼロ金利にある過渡的な状況とは直接関係ないということになる。これは、横断条件を満たしている経路と満たしていない経路が、政策変更のあとどれくらい長く見分けの付かないものになるかという問題。DGEモデルのカリブレーションをやってみるとわかるが、実はこれは十二分に長い期間である可能性がある。つまり「背理法」を根拠にして、急速なデフレ脱却を言うのは、かなり問題のある主張ということになってしまうorz


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