マッカラムの「五つの誤解」論文を読む [ 全レストップページ ]

10 名前: ドラエモン [2007/05/16(水) 00:53:06] ID:O [TB]

さて、誤解1のクライマックスに若干の手を加える(『』内)と(笑)、

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『日銀が採用した量的緩和』は中原ら『リフレ派』の提案に応えるかたちで導入されたものである。これら『リフレ派』は、貨幣創造とともに、非正統的な資産の購入も視野に入れていたため、彼らの提案は実際のところ方法(b)と(c)を一緒に適用するものである。

1990年代後半までには、ゼロ金利制約のもとではマネタリーベースと短期国債はほとんど完全代替であるので、これら資産の公開市場買入には緩和的効果がないであろうことが広く理解されていた。加えて、彼らの提案は、現在と将来にわたってデフレを回避するような政策運営を行うことに日本銀行がコミットすることを意図していたと思われる。したがって、彼らの提案は、(もし信認が伴えば)理論上は(方法(a)を通じて)効果的であったかもしれないような、上述のルールの変更を意味していたと解釈されるかもしれない。

日本銀行の1999〜2005年にかけてのバランスシートの大規模な拡張が、どの程度これらの提案に見合うものであったかは、継続して議論されるべき問題である。

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要するに、『量的緩和』が、本当のところリフレ政策だったのか、あるいはゼロ金利で制約されていただけの従来の政策ルールの中でのものに過ぎなかった(から有効ではない)のかは、まだ決着の付かない論点ということですな。

言うまでもなく、日銀自体は従来のルールを踏襲しただけであったわけだが、「デフレ脱却に真剣な人」という小泉氏の総裁選びの基準と、テイラー・溝口の無制限円売り介入という「そんなのあり得ない」と僕が批判されたのの実行が組み合わさって、結果的にある程度の有効性を持つ政策ルールの変更になっていた可能性も否定できないという事でしょう。


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